自分達にしか出来ないことがあるとユーザーの幅は当然広がります。それは我々から見て顧客の幅が広がると言う意味ではなく、ユーザーが望むことが広がると言う意味です。
残念ながらバイナルをまだ敷地を囲うフェンスだと思っている人は多いです。しかしその人達が思ってもいなかったモノを目にすると、バイナルでこんなことができ、注文することが出来ることを知ると、自分の描いていた家の外構も生活も変わって来ます。もっと知りたくなり、何故その家にこれが感じよく配置されているのか、どんな意味があるのか、どんな風に使われているのかを聞いてみたくなる人もいるでしょう。
私達は長年フェンスやデッキを作って来ましたがここ数年の間に新しくいろんなモノを発案し、提案し、幸い幾つかは採用もされ、実現させることも出来ました。そうしたことが背景になってオーダーが増えたことは事実です。
何故こうした事に重きを置くようになったかと言えば、もし、我々より遥かに財力のある企業が参入するとそれまでのようなオーダーはその企業に持っていかれるに決まってます。また、ある時期中国製が我々の顧客を値段で持って行って以来、そうした不安が日々大きくなって行った事もあります。運良くこれまでそのような大きな企業が参入してこなかった理由は、日本に製品生産能力が無かったこと、生産基地を設ける為の回収期間他を読めなかったこと、仮にバイナルの優れた面を知ったとしても、ユーザーの気持ちの本丸に食い込んで営業出来るような人が居なかったこと、そのような営業では価格競争に巻き込まれるだけで、経営に不安が付きまとっていたからです。我々もそうでしたが後から参入した幾つかのバイナル販売専門店も想像以上の大きな損失でスタートしていると思います。
自分達にしか出来ないこともそれ程の時間を置かず、誰かが出来るようになります。まだまだユーザーの要望に提供側の能力が追いついていない事もあります。冷静に自分たちの能力を見つめ、自信のあることがあれば最大限に生かすこと、ユーザーの生活を冷静に見つめ、社員一同がその実現に向けてモノ造りに努力すること、冷静にバイナルの特徴と欠陥を見つめ、使い方の幅を広げること、そして何より優れた施工が出来る様にする事、そうした配慮によってのみバイナルが広がっていくものと思っています。
ある意味アメリカのバイナルを超えるレベルも中には出て来たと感じています。このビジネスをメジャーなものにしたいなら今後も日々努力を重ねる事しかあり得ません。