オープン外構という言葉がありますが、庭の基本はクローズです。昔の農家には塀があり門があり、しっかりとした木の扉がありました。武家屋敷も階級の高い武士なら塀、下級の武士でもしっかりとした垣根で囲われ門がありました。町屋も隣地とは2 間以上(3.6m)の高い塀と屋根を掛けた中庭があり、覗かれる心配もなく生活をしていました。
そこには厠、風呂、水屋などプラベート部位が集まっていました。住宅は1 日の務めが終わり安らぐ場所です。オープン外構のように道路から開口部を通じて家の中が丸見えでは良いはずありません。求めるものと矛盾しています。
アメリカの分譲地では1 つのパーセル(戸建住宅の集合体)の入り口にはゲートがあり、そこから奥は誰もが自由には入れません。住民管理のコミュニティー道路であり、道路に面した面の開口部は極力絞ってオープン外構は成立します。よく見るとオープンなのは道路に面した面だけです。
侵入者にすれば隠れるところが無く、隣や向かいの2 階から監視されることになります。こうして犯罪を防ぐ事が出来ます。隣地との通路部分とバックヤードはプライバシーの高い塀で囲まれるのが一般的です。